2012年08月31日
メニエール病 18

メニエール病 その18
「両側メニエール」
朝、目覚めると妙に静かな感じがするので
「やはり耳は聞こえてないんだ、、、」と思う。
耳鳴りが止まった訳ではないが、静粛というものはあるのだ。
妻に「おはよう」と声をかければ、パクパクパクとかえってくる。
いまだに何故クチパクするんだという感じがして落ち着かない、、、。
耳鳴りがあり、それも同時に何種類もあり、
幻聴も賑やかなので聴覚がなくなったという感じがしない、、、
いや、やはり聞こえないので聴覚は無くなっている。
でも、音は在る。なので、F-15もトラックも爆音スクーターもウルサイ!
小鳥のさえずりも子供の声もギャッギャッと聞こえてとても辛い。
聞こえる音はみんな割れていて、聞くに堪えない。
私はやはり聴覚を失ったんだと思う、、、。
いったいどうなっているんだというので
「TSUTAYA」でDVDを借りて映画を観る。
十分な音量にもかかわらず何も聞こえない。
やはり情報に欠ける、、、。台詞が無いと落ち着かなくなる。
思わず妻に「今は何か音は出ているのか、音楽は!?」たずねる、
妻は山羊が鳴いているという、、、。
これは選んだ映画の問題かもしれんと思い、
分かりやすいかもとアクション映画を観る。
画面は盛んに動き、爆発しているのだが、
サイレント、、、、ん、、、、
ここ来て私は耳が聞こえなくなったのではなく
「聴覚文化」を失ったことに気づいた。
つまり、私にはもうバッハの「無伴奏チェロ組曲」が
聞こえないということだ。
そして青春の色とりどりの音楽も、もう無いということだ。
んー、ジャニスの「サマータイム」が聞きたい、、、、。
借りたDVDに「無料CD券」が付いていた。
五感のひとつと思っていたのが、
文化を失ったとは気づいてなかった。
後四つ有るというものでもないようだ。映画を観てつくづく思う。
しかし、おかげでというか饒舌がなくなり、
いや、話すことは出来るのだが、なぜか気分が悪くなる。
それで、人の顔や風景を観るようになった。
生活がなんだか静かになった。
友人に、あまり喋らない私はどうかと聞いたら、
調度いいなどと答える、、、。
もっとも妻と話すときは相変わらず喋る。
でも、気分が悪くなるので、途切れがちではある。
何だか物理的にとても話しにくいのだ。
ありがたいのは、妻が筆談を厭わない事だ。
これは亡くなった母も耳がほとんど聞こえなかったので、
妻はデイケアで鍛えられていたからからかもしれない。
いや、彼女は書くことが好きだからというのが本当のところかもしれない。
いずれにしても、ありがたい事には変わらない。
耳が聞こえなくなることで「メニエール病」が終わったわけではない。
だいぶ落ち着いてきたが、めまいは時にある。
幻聴も加わったぶん悪くなったともいえる。
薬は無いもいっしょ。
歩くと良いような感じだが、疲れが気になる。
あれよという間に1年だ。
10月発作が起きないようにするには
どうすれば良いのかわからないまま9月である。
幻聴の曲、選択出来ぬかと思案する、、、。
最近「桃太郎」ばっかり。
カワウソ
Posted by ネコとウソ at 21:55│Comments(0)
│メニエール病
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