2008年07月16日
かようびのよる
か よ う び の よ る
デヴィッド・ウィーズナー
徳間書店
中学生から借りた美術の教科書をみていたら
「かようびのよる」
という絵本が目に留まる。
おもしろそうだし絵が気に入ったといえば、
小学3年生が
「これはねっ、カエルが空から降ってくるし、
別の日にはブタが飛んでくるの、、、」と話してくれた。
おおそんなに面白いのかいと話が弾んで、
その日、本屋で見つけたので即購入した。
絵本だから絵が気に入らないと始まらないし、
ストーリーだって面白くなければならない。
この絵本はその両方とも私の琴線に触れた。
ストーリーが4行分しかない、それも1行づつで
「かようび、よる8時ごろ、、、」といった具合である。
絵はオーソドックスだがそれがリアリティを与えている、
なぜなら「とあるまちでじっさいにおこったことです」
というのだから、、、。
カエルが蓮の葉っぱに乗るというイメージが出来た時点で、
この絵本は成功を約束されたと思う。
かようびのよるカエルたちは蓮の葉っぱに乗って
町へどんどんやってくる。
その数計り知れない、、、
先々で、もんどり打ったり、
洗濯物に引っかかったりでてんやわんやだが
カエルはうれしそう。
あるお婆さんの家では入り込んだカエルが
テレビを観賞する事となる、
中にはその家の壁に掛けてある
田園風景の絵画にうっとりしているものもいる。
TVを観るなんていかにもアメリカ的だ。
ちょつとした風刺にもなっている。
絵は水彩画をたしなんだことのある人なら
おもわず模写でもしたくなるくらいであり、
またそのシーンはどれも映画的で退屈させない。
まるでアクション映画のような動きさえある。
モチーフとなったカエルに好き嫌いがあるかも知れないが、
だって絵本中カエルだらけ、
でもきっとこのカエルたちが
好きになるに違いないと思う!
絵本を言葉でつづってもしょうがない、
教科書に載っているくらいだから学校の図書館にもあるし、
見つけたら迷わず買っちゃおう!!
ところで大人としては、
いや子供こそはかもしれないが
この「ほんとうにあったこと」に引かれない訳はない、
種明かしではないが、ニュースなどで見たことはないだろうか、
竜巻などで舞いあげられた者たちなのである。
それを蓮のハッパに昇華したのだ。
さて、カエルが降ってくるのは映画にも実はある
「マグノリア」だ。ご覧あれ!
Posted by ネコとウソ at 20:17│Comments(0)
│本 雑誌
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