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2010年11月03日

比嘉康雄展 2

比嘉康雄展 2
  今は亡き比嘉氏のビッグホーン、、、。



          「母たちの神」

           比嘉康雄展

     2010.11.2~2011.1.5

         沖縄県立博物館美術館


      比嘉康雄氏の「ビッグホーン」ISUZU

 私も相当なお喋りだが、

比嘉氏のそれは私たちに相槌を打たせるのも許さない程の

喋り、話しっぷりだった。

最初当惑するも、こんなにも喋りまくる人も居るのだと

自戒の念すら起こさせたが、

今では「心筋梗塞」上りのため私の喋りは半減している。

息が続かないのだ。

おかげで人の話を聞き考える事が多くなったし、

人の話が聞けるようにもなっている。

もちろん比嘉氏はただのお喋りだった訳ではなく、

話であり論だった。

それから間もなくして比嘉さんは鬼籍に入られた。

一回り年が違うとはいえ、こんなに早く亡くなられるとは

つゆとも思わなかったのでただただビックリした。

今にして思えばそのバイタリティは相当なストレスだったのだろう、

死因はガンだった。

あれからはや10年の月日が流れている。

 亡くなる数年前に比嘉さん御夫婦が家へ訪ねてこられた。

確か散歩の途中との事だったと思う。

比嘉さんの家は近く、また母の実家の向いにお住まいだったけれど、

今ひとつ御縁が無く同郷のアーティスト(写真家)の大先輩でもあり、

こちらからお会いしたい方だったのでとても感激、恐縮した覚えがある。

 それからしばらくお誘いに甘えて、

毎週のように私の方から比嘉さん宅を訪れた。

毎週さしずめ集中講義の様な体であった。

話は多岐に渡ったが、やはり美術のそれもかなり突っ込んだ形での、

出口の見えない話を延々と話しこんだ。

比嘉さん自身も何やら堰を切った話し方でとめどなく話が流れ続け、

比嘉さん自身迷いの中で話している様子もあり、

これだけの作家でも、いやだからこそどうどう巡っても安易な答には

至れない様子だったのを覚えている。
 
 そんな中、私がマツダ軽量オープンカー「ロードスター」を買う話をしたら

「そんなモダニズムを走って遂には崖から落ちてしまうようなものは止め

 なさい。それより、そのお金で旅に出なさい」といった。

いかにもステロタイプな話をするものだと訝ったが、

だいいちその比嘉さんだって2トン近いV6-3000の車を駆って

日本を回るのだと言っている訳で、

何、そんな自然破壊の探訪は良くて、

風と戯れるロードスターは何故イケナイというのだと言葉を返した。

今にして思えばそれぞれに好きな領域で

好きな言い回しをしていただけで同じような事を言いつのっていたと思う。

比嘉氏の饒舌と寛大さは私の言い分などどこ吹く風という感じでもあり、

それ以上に自分の考えをまとめなくてはいけないある性急さも見られた。

もしかしたらその頃には何か比嘉さんの体は感じていたのかもしれない。

 比嘉さんの「V6ー3000」のプロジェクトは残念ながら成就せず、

その大きさゆえ、亡き後娘さんが扱いに難儀しているのを見たことがある。

また、比嘉さん夫婦と私夫婦でそれに乗り、

自然を解さない私のために谷茶まで夕陽を観に出かけた。

比嘉さんはここぞとばかりにアクセルを踏み

「チョツトぉアンダー出てますよぉ~」と私にドアの取っ手強く握らせたことと、

自慢げにサンルーフを開けたら、

奥さんに眩しいから閉めてくださいとたしなめられたことも思い出す。

ちなみに私のロードスターはその世界を成就するも、

都合途中で手放してしまい、今あらためて欲しくなってしまい困っている。

比嘉さんのV6-3000は役目を終え、

形見のように屋敷の一角に鎮座している。

リハビリ散歩の途中で比嘉宅の前を通るとき「おはよう!」と

V6-3000に挨拶するも

パッシングライトで返事を返してはくれないかと期待するが、

そんな事は無いようだ。



             カワウソ





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Posted by ネコとウソ at 21:20│Comments(0)アート
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