ネコとウソ

　海洋文化館に展示され、さらに乗って記念撮影できるサバニ。


　　海洋文化館


リニューアルしてから行ってなかったので、

海洋博公園の海洋文化館へ行ってみた。

展示物の中でも、呪物系が面白かったので、

まだ残っているかと期待しつつ入ると、

建物の中の様子はすっかり変わっていた。

とても立派な（お金がかかっているという風な、、、）展示で、

分かりやすく、ヴィジュアルも工夫され、

子供達の自由研究などにそのまま使えそうだ。

しかし、おどろおどろしい呪物は無くなっていた。

ちょっと残念な気分でネックレスを見ていると、

係りの人が「これは犬の歯です。」と一言、説明してくれた。

ちょっと驚いた。

　アクセサリーの犬の歯は尖った歯ばかりで、

奥歯は使わないのかしらなどと思った。

　家の中で拾った猫の牙の事や、

抜歯の時に病院で希望すると、

ケースに入れて持たせてくれた事など連想した。

それらの歯だって磨けばアクセサリーになるでしょう、、、

などと、たらたら考えた。

たらたら考えるのに向いた場所だ。

　奥の方にサバニが展示してあって、

カワウソが熱心に見るので、

私も説明パネルや、サバニ用木製クギを真面目に見た。

ついでにモニターで刳舟を作るドキュメンタリーも見た。

感動の内容だった。

松の木を刳りぬいて作る工程というか、

過程は祈りに始まり祈りで終わる。

命を頂き、作った舟に命を吹き込む作業だった。

海を相手に生きるというのは、

いつだって命がけだから、

船作りは神聖である事に、

はたと気づいて、じわじわ感動した。

農民の子孫の私には、

新たなるリアリティの経験だった。

　　　　こねねこ