2012年09月25日
値札

「値札」
妻とスーパーのレジに並んでいると、
前の客が外国人だった。
沖縄ではさして珍しくはないが、
トルコはイスタンブールから来たか、
いや、近くのコロニアル風の賃貸住宅に住んでいる
アメリカ人かもしれない。
急いでいる風でもないがやや落ち着きがない。
男の買い物らしく籠もなしで
レジテーブルの端に4個パックの洋ナシを置いている。
ふと思い立ったか、
彼はパックの「値札」のシールを丁寧にはがした。
して、彼は人差し指に付いたシールを見つめ、思案している、
何故なら会計がまだなのだから。
それで、元に戻そうか、
どこかに仮に貼り付けようかと手は空をさまようが、
やむなく元の場所へすぐに剥がせるように
そっと置くように貼り付けた。
間もなくレジのお姉さんが
勢いよくバーコードの読み取り機を当てるのと
彼が制するのがかち合うが「ピッ」の方が速かった。
彼としては一瞬にしてそのシールを
読み取り機で強く押さえられるのを止めたかったのである。
幸いそれは杞憂で、
彼が手振りで剥がして欲しい旨を伝えると、すぐに取れた。
彼が安心するのもつかぬ間、
今度は洋ナシを入れたビニール袋に
お買い上げのスーパーのシールを貼ろうとするレジのお姉さんを
またまた手振りで制することになった。
わずかの間だったのことだったが、
彼にしてみれば洋ナシひとつ買うのにやれやれと思ったに違いない。
おそらくその洋ナシは
これから訪ねるであろうひとへのお土産に違いない。
お土産の値札を剥がすのはどこもいっしょか、と思った。
カワウソ
Posted by ネコとウソ at 20:41│Comments(0)
│カワウソの話
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。