ネコとウソ

　波も高く、とてもビーチグラスを拾える状態ではない風も吹いていた。


　　　　　　　　　　喜　如　嘉


　　　「ああ喜如嘉　かの山村に生まれなば

　　　　　　　　　少しこの世が　楽しくありけむ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　積宝



　　積宝の歌碑は共同売店の左のキツイ階段を登れば出会えます。



　ひと頃は毎週のように出掛けた喜如嘉だが最近さぼっていた。

それでか「心筋梗塞」になったので再開した。

メニエールやらなんやらで大好きなドライブを止め

蟄居していたら「心筋梗塞」なったという

妻の証言もあって久しぶりに来た。

　アイリス（オクラレルカ）はもう終わっていたが、

サンニンが葡萄の房のようにたわわであったり、

水草の茂りに感心したりで、

何年も通っていた喜如嘉であるが、

車で散策するだけだったのを今更ながらに思い出す。

ちなみに、その日も車で散策の人達にも出会う。

「君たち心筋梗塞になるぞ！」

と言ってやったが妻の失笑をかう、、、。

　「心筋梗塞」のお陰で「歩く」を学び、

こうして自然に親しむようになった訳であるが、

かといって「心筋梗塞ありがとう！」というのとは違う。

何故なら「心筋梗塞」は私にかけられたストレスが

原因でその「具体的主犯」は分かっている。

でっ、「恨み」は別にして下司にならないよう自然に

目を向けた私に言わば見識があるのであって、

これをもって大事な事を忘れてはならない。

忘れてはならない事は忘れてならない事として

醸造して置かなければならない。

臥薪嘗胆ではない。

　そんな事に思いを奪われながら歩いていると

またしても妻に諭される

「あなたってよほど前世に何かあったんじゃないの！？」

　これではいかんので、

前を見つめて歩いていたら小学校が見えてきた。



　心なしかのんびり見えるが、やはり学校は学校なんでしょうねぇ、、、、。

ところで妻よ

「小学生にもどってみたいか！？」の質問に

「嫌です！」と即答がかえる。

「今更勉強はないよなぁ」と言えば

「勉強は今しているから良いです」と返ってきた、

愚問でした、、、。

　実はビーチグラスを拾いに浜へ来たのだが

あまりの強風に断念したのでした。

おかげであちこち散策出来た。

人生は面白く予定通りにはいかないもので、

それがまたかえった面白いものにしてくれる、

などとうそぶく事さえ「心筋梗塞上がり」は出来るのだ。



　今日は祭日だからもう一杯飲んでも良いすかねぇ？



　　　　　　　　　カワウソ