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2017年11月29日

うちなー口「アラン」

うちなー口「アラン」



         アラン

        うちなー口
   イントネーションは棒読み、、、。


 近隣の者が、通りがかりの初老の男性に声をかけた。

「マーカイガ!」

初老の男性は、すかさず、

「アラン、銀行マディ、、、。」

と答える。

この場合「アラン」は否定の「違う」や「いいえ」ではない。

だって、何処へと訊かれたのに「いいえ」では可笑しいでしょう。

初老の男性はこう言いたかったのです。

つまり、、、。

「私は貴方に、何か心配やもめ事が

      起こるような事はしません。銀行に行くだけです。」

と言っているのです。

なにゆえそのようにいちいち説明するのであろうか?

それは、共同体であることの意思疎通を語っているのです。

もし、「アラン」をはぶくと近隣の者は

「強盗シーイガイ」

あるいは「モーキトーサヤァ~」

と近隣の者の、あらぬ感情を誘うのです。

ひゃ~めんどくさい、余計なお世話だっ!

と思うのは近代人の証ですが、共同体的生活では、

皆が情報を共有していなければ安全、安心できないのです。

情報を共有することによって皆が同じように暮らせるよう、

円滑に運ぶ手段なのです。

となればプライバシーなどというものはありません。

夫婦げんかも夕方までには地域の皆が知ることになります。

どうです、そういう暮らしを望みますか。

 そこで、

私達はそのように束縛された社会は嫌だという事になり、

今日まで、

誰にもお世話にならない自立、

独立生活を近代と称して暮らしてまいりました。

 おかげさまで、

誰にも世話にならず、

迷惑もかけずに、

粛々と生きてきましたが、

気が付けばこの暮らし、

いつのまにやら経済は失速し、

二極化とやらで、企業は最大利益を更新中ですが、

私達の周りでは明日をも知れない状況になってしまっています。

 ではと、

誰かに助けを求めようにもそのような関係がもうありません。

煩わしいといって、

その関係はすべてお金で解決してきました。

ところが、

そのお金が、

私達のところへは回ってこなくなりました。

気が付けば標準世帯までが一人家族に、

単身者世帯となっているのでした。

キャー!


       アネェ アランタルン!




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Posted by ネコとウソ at 23:00│Comments(0)カワウソの話
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