私の身体は頭がいい
私の身体は頭がいい
内田 樹
文春文庫
本文より、、、
武術的能楽論
でも、そんなふうに身体運用の精密化や高度化を
定量的に測定しょうと望むと、
私たちは「昨日までやっていた身体運用」をなかなか手放せなくなる。
逆説的な事だが、自分の身体能力の運用の向上を数値的に
確認したいと望む人間は、身体運用の方法の根本的な変化を
忌避するようになる
(ほとんどの場合、それは一時的に数値の低下を招くからだ)。
だが、武術的身体運用は、術者に身体運用「文法」の根本的な
書き換えを要求する。武術的な動きというのは、
速い動きのことでもないし、強い動きのことでもない。
いわば「次元の違う動き」である。
分かりにくい比喩を使って言えば、日本語でしゃべっているうちに、
相手がいきなり「火星語」で話始めたので、
あっけにとられているうちに、
相手が「火星語」でのセンテンスを言い終わってしまった、、、、
というような感じで私たちは武術的に「負ける」。
(P201~202)
そうか、
それで、大方の人はそれまでの「図的描写」をゆずらないから、
いつまでたっても西洋絵画の「空間」の認識をしてくれない、、、。
ということで武術に限らずお勧めです!
カワウソ
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