ネコとウソ

　　福木の実




時どき庭に福木の実が落ちているのを見つけて、

不思議に思っていた。

福木の実にはかじった跡まである。

福木の実は、見かけ柿にも似ているが、

臭いがあるので、人がかじったとは思えない。

それに家の近所に福木は無い。

カラスが落としていくのかと思っていた。

しかしひょんな事から、コウモリ犯人説が浮上してきた。

夜、家の犬走りから生き物の声がした。

ドサッという音もした。

生き物の声は悲鳴のようなもので、

以前から時々聞いていて、

私達はそれをネズミの悲鳴で、

何処かの猫がハンティングしているのだと、

勝手に思い込んでいた。

その夜は、悲鳴がやたら続くし、

猫がネズミを襲うのにドサッという音を立てるはずが無い、

外灯を点けて、部屋の電気は消して、外の様子を窺った。

なんとコウモリが３羽飛び交っている。

攻撃する様子も、

我が家のフェニックスの葉にぶら下がって、

求愛行動に及んでいるらしい様子も観察できた。

ネズミじゃなくてコウモリだったんだ！

長年の謎が解けて嬉しい気持ち！

翌朝、フェニックスのそばに福木の実が落ちていた。

で、犯人はコウモリだったんだ！

と二つめの謎も解けた。

しかし、コウモリは福木の実をなぜ落したんだろう？

恋敵に投げつけたんだろうか？

カワウソの見解によると、

メスにプレゼントしたが、

メスは「こんなモノで釣られるかい！」と

投げつけた、に違いないとのこと。

んー、それはどうだろう、、、。


　　　　　　　こねねこ