クモちゃん
胃腸炎やら風邪やらで、
カワウソもこねねこも弱っていた。
カワウソなんて風邪の後に歯茎まで腫れて痛みだし、
歯医者通いしていたら、
クモちゃんがご飯を食べなくなり、
どんどん弱っていって、
とうとう天国に旅立ってしまった。
1月にジョセフィーヌを見送って、
年寄り猫達なんだと認識を改めたけれど、
立て続けに見送る事になると、
本当に力がぬけた。
年の順に亡くなる訳ではないのは、
人も猫も同じなのだけど。
クモちゃんは14歳で、
家の子達と馴染めず、
飼い猫なのに家の中でひとり暮らしだった。
洗濯室でひとり暮らし、
唯一の幸せと思われるのは、
ブラッシングをしてもらう事。
ご飯を食べながらブラッシングとか、
カワウソにブラッシングをねだるくらい。
弱っていく過程で、
どんどん奥まった所に引っ込むので、
(隠れたんだと思う)
飼い猫の幸せの一つも味わう事もせず、
甲斐も無いじゃないかと意見した。
そしたら時々撫でてもらうために出てきた。
付き合ってくれたんだと思う。
最後が近づくと、よく鳴くようになる。
「苦しいかい、寂しいかい」と擦ると落ち着く。
夜中に1時間おきに鳴いて、
しばらく擦るとウトウトと眠る。
事切れたのは午前3時40分くらいだった。
気配で分かったのか、隣の部屋に皆集まっていた。
縞田君なんかその日は昼からソワソワしていた。
後になって責めてもなんだけど、
「縞田君!あの時咬まなければ、
素直に好きと言えばよかったね」
と言ったら、瞳孔開いた目で、(たぶん)反省してた。
ジョセフィーヌもクモちゃんもおとなしかった。
おとなしい分、いなくなっても目立たないけれど、
不在の静けさは時と共に染みてきて、
寂しさはどんどん募ってくる。
こねねこ
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