爪がささる
オレは抱っこは嫌いだ、、、。
縞田君を強制退去させるために、
抱いて歩く時に、
いやがって体をよじっつて暴れるものだから、
後ろ足の爪が、私の唇にささった。
「ひぇ~」と縞田君を投げ出して、
消毒してテッシュで押さえていたけれど、
なかなか血が止まらない。
舌の先で確認してみたら、
なんだか細い傷だがえぐれているのだ。
恐る恐る鏡を見たら、
血が出ていて、傷がえぐれているかは分からない。
血が止まると、透明の液が覆っていて、
たぶん唇なのでたちまち修復が始まるんだろう。
唇から皮膚との境あたりに、
1センチくらいの傷と確認した。
痛くないのでたぶん大丈夫。
翌日にも腫れる事はなかった。
しかし、縞田君は抱っこが嫌いだ。
女の子達は「姫様抱っこ~」と言うと、
おとなしく抱っこされるのに、
「王子様抱っこ」は通用しないのだ。
爪がささったときはショックだった。
ところで、思い出した知人の話がある。
小学生の何年生の頃の話か覚えてないが、
飼い猫に顔面を引っ掻かれ、
幾筋かの傷が付いてしまった。
昔は傷に赤チンを塗るものと決まっていて、
親に赤チンを塗られたそう。
それで学校に行き、
運の悪いことに放送委員だった彼女は、
その日が当番で、お昼の放送に出た。
その学校では校内放送はテレビだったそうだ。
全校生徒が見ている校内放送に、
赤チンの縦じまの模様入りの顔で出演した話だった。
大人になって知り合った彼女の、
子供時代は知らないけれど、
まるで見た気になる話で、忘れられない。
ちなみにとても猫好きな彼女でした。
こねねこ
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